Life Cycle Managerのご紹介

アプリケーション・ライフサイクル管理

LCMの概要

ライフサイクルマネージャ(LCM)は、ソフトウェア
ライフサイクル全体の変更を制御するISPFベースの直感的で使いやすい環境を提供します。

COBOL、アセンブラー、JCL、ロードモジュールなど様々なタイプのオブジェクに対応しており、コード整合性および変更点を記録してオブジェクトの変更履歴を維持します。
また、オブジェクト、ソフトウェアへの変更を制御して、認可された変更を確実に正式ベースライン、リリース、または本番環境に組入れられるように開発プロセスを管理します。

LCMの特徴・機能

コンポーネント管理

COBOL、アセンブラー、JCL、COPYBOOK、実行ファイルなどの様々なタイプのオブジェクトをLCMに取り込み保持、管理

バージョン管理/変更履歴/アーカイブ

LCM管理下の全オブジェクト変更の証跡記録(ユーザー、変更日など)を管理変更したオブジェクトはデルタ(差分)技術を使用してバージョン管理

ライフサイクル機能

開発プロセス、オブジェクト変更を制御して、認証機能で認可された変更を確実にリリース
柔軟性を持ち、他製品のライフサイクルへも対応が可能

依存性とビルドの管理

コンパイル時に補助的なオブジェクトがコンパイルされる様に、ビルドプロセスを管理

影響調査

オブジェクト変更後、他のオブジェクトに与える影響を調査

レポート機能

開発の為に必要な様々なレポート機能を提供
変更レポート、注釈テキスト、メンバータイプレポート、構成レポート、リスト差分レポート、関係性レポート

LCMコンポーネント

LCMの中心となるコンポーネントは、LCM DB(VSAMファイル)と呼ばれるデータベースです。LCMのすべてのコンポーネントは、コンテンツとアクセスを管理、制御するためにデータベースを使用します。

各コンポーネント

Configuration Management

アプリケーションのライフサイクルと各ライフサイクルに含まれるオブジェクトを管理

Source Management

ホストから取り込んだコードオブジェクト(ソース、実行ファイルなど)を
保管して、オブジェクトをバージョン管理

Package Management

ライフサイクルの中でオブジェクトが移動するのを制御

Dependency and Build Management

ビルドプロセスを制御して、コンパイル時の補助オブジェクトを管理、制御
オブジェクトを調査、レポート化

Security Management

LCM環境内のコンテンツや機能へのロールベースアクセスを制御

LCM DB

LCM DB内は階層構造になっており、4つの要素(SYETEM、CONFIG、TYPE、MEMBER)で構成されています。
LCM DBには、LCM管理者が設定したユーザー、LCMコンポーネントのみがアクセスする事ができます。

(図)LCM DB階層構造例

LCMデータベース

LCM DBは以下の要素で構成されています。

SYSTEM

アプリケーションのライフサイクルと各ライフサイクルに含まれるオブジェクトを管理

CONFIGURATION

LCMライフサイクルの工程(ステージ)
ライフサイクルの一番最初はCONFIGURATION「STG」から始まり、最後は「PROD」で終了
「STG」~「PROD」間は任意のステージをライフサイクルに指定可能

TYPE

ソース、コピーブック、ロードモジュールなどのオブジェクト(MEMBER)を種類毎に分類して保存

MEMBER

DBに保存されているデータオブジェクト(ソース、コピーブック、ロードモジュールなど)

バージョン管理

LCMは新規ソースオブジェクトインポート時に、ベース(オリジナルデータ)となるバージョン1をLCM DBに 保存します。

その後、新バージョンのインポートや編集、ライフサイクルステージが移動するとDB内に後続バージョンを作成します。
後続バージョンでは、差分データのみを保存し、ディスクスペースを有効活用します。
処理時には、MEMBERのバージョン情報から、バージョン1と差分データを組み合わせて最新のMEMBERを作成します。

各バージョンには、監査目的で取得できるメタデータと共に保存されます。
メタデータには、ライフサイクル情報、インポート実行ユーザー情報およびインポート実行日時、変更日時が記録されています。
必要に応じて、各バージョンへフォールバックやホスト上へのエクスポートが可能です。

ライフサイクル処理の流れ

各ステージ (CONFIGURATION)でテスト後、ApproverにMIGRATEをリクエストします。承認後、DeployerがMIGRATEを実行してライフサイクルの次のステージにMEMBERを移動します。各ステージでPROMOTEを実行するとステージ毎に指定した任意のホストデータセットにMEMBERを出力します。

ライフサイクル実行権限

LCM内には、独自の機能を持つユーザー権限があります。
LCMを使用するユーザー毎にユーザー権限が設定されており、権限に応じてライフサイクルで実行可能な処理が異なります。

LCM管理者はユーザーに対してユーザー権限を設定することができます。
主なユーザー権限は以下の通りです。
Developer
MEMBERをLCMにインポートしてApproverに承認をリクエスト
Approver
MIGRATEを承認
Deployer
PROMOTE、MIGRATEを実行